経済学の入門!学生・社会人でも独学できるわかりやすい経済学とは

たくさんのカラフルな傘

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中村教授

経済学に興味がある方向けに、入門の「経済学とは何か」「経済学の魅力」をわかりやすく解説します。
この記事は経済学の中村教授プレゼンツです!
このような方向けの内容です。

アキ

  • 経済学の入門だけでも知りたい初心者・大学生・ビジネスパーソン
  • マクロ経済とミクロ経済そして経営学との違い
  • いま経済学を独学しているが面白くない
  • 経済学の知識がどのようにビジネス・投資に役に立つのか知りたい

中村教授

この記事をひと通り読めば、「経済学とは何か」のポイントや「経済学がどれほど素晴らしい考え方なのか」わかっていただけると思います。

中村教授

経済学は専門用語が多く、時に計算やグラフも使われることがあり、初心者は入門でつまずくかもしれません。
しかし経済学は決して難しくありません。
正しく理解していれば現実のビジネスや投資、生活でもとても役立ちます。

中村教授

先に少しだけ結論を言ってしまうと経済学の本質はこうです。

最も効率的に成果を得るために、
資源配分を最適化する意思決定のプロセス

中村教授

これから1つずつ解説して行くので安心してください。

経済学の大前提

中村教授

経済学の勉強で大前提のとても重要な概念が「資源」です。
資源といっても、鉄や小麦など原材料だけを指すのではありません。
  • モノ
  • 時間

自分の投入できるコストすべてを経済学では資源と言います。

経済学と資源の希少性

なぜ資源が重要なのでしょうか。

アキ

中村教授

それは、資源は必ず限られているからです。

あなたの時間、お金、体力は有限です。

トヨタやNTTのように、どれだけ巨大な企業でも、自由に使えるお金は限られていますし、事業に投入できる優秀な人材の数も、原料も限られています。

中村教授

限られている資源をどのように使えば最大の効率で成果を得ることができるのか
これを考えて意思決定に役立つのが経済学の本質です。

経済学だけでなく、経営学でも「有限で貴重な資源の配分の意思決定」の話はありとあらゆるところで見ることができます。

その根本には、「資源は貴重なものだ」という認識があります。

経済学の重要なキーワード

中村教授

さてそれでは経済学の本質がわかったところで、経済学の基本的ないくつかの原理原則を1つずつ解説していきます。

理解すれば、

  • 経済学とは何か
  • 経済学がビジネスや生活でどのように役に立つのか

初心者の方でもなんとなくでも納得していただいて勉強にも役立つのではないかと思います。

経済学用語ートレードオフ

中村教授

経済学の原理で重要なのが「トレードオフ」と言う概念です。
トレードオフとは何かが欲しいならば対価が必要だということです。
この対価は「諦め」とも言えます。

たとえばあなたが部屋の掃除をしているとしましょう。

しかしあなたには仕事もあり、やらなければならない資格の勉強などもあり、掃除に費やせる時間・労力という資源が限られています。

また家事も大変な肉体労働なのであなたの肉体的な限界もあります。

そこであなたには2つの選択肢があります。
あなたの家事とその他にかけられる仕事を天秤にかけます。

部屋の掃除を重点的にするとしましょう。その場合あなたが清潔な部屋と言うメリットを得ることができます。

しかしそのために他の仕事や勉強などの時間は満足のとることができずそれは諦めることになります。

逆のケースです。

あなたが部屋を清潔にしたい気持ちはやまやまで、掃除すれば快適さと言うメリットがあるのは知っていますが、部屋の掃除には時間をかけてしまうと他のことにも支障きたしてしまいます。

 

そこで部屋の掃除にかける時間をほどほどに少なくして、そのかわり他の仕事や勉強に時間を費やします。

 

そうすればあなたが部屋の快適さと言うメリットがそれほど受けられませんが、代わりに、仕事や勉強での成果を得ることができます。

中村教授

このケースは掃除と仕事がトレードオフの関係です。
あるいは「部屋の快適さと仕事での成果がトレードオフの関係にある」とも言えます。

どちらも両立する方法があれば良いのですが、資源は限られています。

仕事、外家族と仕事勉強とアルバイト、事業の拡大と既存客のフォロー。

このように人生にかけるなくビジネスや投資などどのような場面でもトレードオフと言う概念が働いています。


私たちは日常のあらゆる場面で選択に遭遇していて、無意識のうちに最適と思える意思決定をしています。


中村教授

この意思決定でのポイントが、人間の感情です。

感情は、直感的に物事を把握するのに役立つこともありますが、しかし時にはバイアス(偏り)によって意思決定を誤らせるケースもあります。

そこで、論理的に最も効率の良い方法を探るのが経済学の考え方です。

経済学の用語ー機会費用

中村教授

機会費用とはこのトレードオフの考え方をより掘り下げた現実的なものです。

中村教授

私が大学生時代の大昔に初めて聞いたときは、まさに目から鱗でした。
機会費用とは、実際の支出は発生していなくても、実は得られたかもしれないメリットのことです。

大学でかかる費用は学費と生活費などです。
しかしこれらはあくまでも現実の出費の分だけです。

本当の大学に行くためのコストとは、仮に大学に4年間行かずに、働いていれば得られたはずの収入です。

高卒で4年間働けば、年収300万円だとしても300万×4年=1200万円です。

つまり大学に行く途中の費用はその学費生活費だけではなく、行かなければ得られたかもしれない1200万円もプラスして考えなければなりません。

これら、得られたはずの(諦めた)収入が、機会費用です。

大学生だけでなくでも誰でもどのような選択でも機会費用を払っています。

ポイントは、「機会費用を上回る利益を挙げることができるかどうか」です。

補足
ビジネスパーソンは、なぜ飛行機でビジネスクラス以上に乗るのか

中村教授

ラウンジで待ったり、他の乗客と行列に並ぶことが、本当に損失だからです。

ビジネスクラスの高い料金を払ってでも、エコノミークラスで並ぶ時間を仕事に費やせばより利益を得られるのです。

 

高いお金をかけてホテルに住む実業家も同じです。

ホテル代は高価ですが、掃除や心身買い物などに一切時間をかけなくてもよく、その浮いた時間で働けばもっと稼げるからです。

タクシー代を節約して時間をかけて電車で移動するのは、生み出すタクシー代よりも価値が低いビジネスしかしていないということです。

 

社長が雑用もやっている会社は、よほど人手が足りない中小企業か、よほど儲からない仕事をしている可能性が高いです。

中村教授

意思決定の時、選択して得られるメリットと、
実は失われているコストがあること。

これが経済学、トレードオフ、そして機会費用の重要な考え方です。

経済学の用語―限界

中村教授

ここまで経済学の重要な用語として、「トレードオフ」「機会費用」について見てきました。

さらに掘り下げて経済学の用語「限界」という考え方について解説します。

よく経済学では「限界的」という言い方をします。

この意味は何も資源が限られているとかそういった意味ではありません。

たとえば
「仕事を1時間を増やしたときに、どれだけ最終的な成果が増えるのか」
「少し増やしたり少し減らしたりした時に成果がどう変わるのか」
このような、小さな単位での成果の比較です。

限界的の背景は、「仕事の時間や量・質などに比例して、必ずしも売上げなどの成果が一定に順調に増えていくわけでは無い」ことを意味します。

これだけを聞いてもわかりづらいと思いますので具体例を使って解説します。

たとえばあなたはTOEICの勉強をするとしましょう。
あなたが全く英語の初心者であれば、すこし勉強すれば200点から300点に増やすのは比較的簡単です。

しかし、もしあなたが既に800点の実力ならば、900点に増やすのは大変です。

どちらの例も100点増やすと言う成果では同じなのですが、成果に必要な時間や労力は明らかに違います。

このように得られる成果に対してそれに必要なコストを比べるのが限界と言う考え方です。


中村教授

この限界と言う考えが何に役に立つか具体的な例をあげましょう。
たとえば映画のチケットや賃貸のアパート。

映画館の空席が残っていて、席に座るお客がいなければ、空席からの売り上げはゼロです。

同じくアパートでも、空き部屋があればそこからの家賃収入はゼロです。

ここでポイントは、映画館なら1人お客さんを増やしたり、アパートなら1部屋の空室を埋めるのに必要なコストと、そうすることで得られるメリットの比較です。

映画館はすでに上映が決まっていますし、すでに映画配給会社からフィルムを購入しているわけですから、お客さんの人数が多少増えたからと言って、映画を上映するコストが上がるわけではありません。

 

アパートでも同じで既に建物が立ってしまっていて、建設費などのローンも組んでいるわけですから、部屋の空きが埋まったところで、大家さんのコストが上がったり下がったりするわけではありません。

 

であれば、どうしてもお客さんが来ない時は、たとえそれが当初計画していた売価よりも低い価格であっても、お客さんに買ってもらった方が得なのです。

飛行機やホテルなどのサービス業が直前になればなるほど安くなるのと同じです。
お客さんが1人増えたとしても飛行機の運行やホテル運営のコストがそれほど増えるわけではないので当初の価格より下げたとしても元は取れるということです。


中村教授

逆に、やめた方がよい例もあります。
市場で90%のシェアの商品を95%にするのは大変です。

限界的に得られるメリットに対して、かかるコストが大きすぎます。

経済学の限界分析とは、コストを少し増やしたり減らしたりした時、得られる追加的なメリットと比べること

経済学の用語―市場取引

中村教授

経済学では、自由な取引は双方にとってメリットを生むと考えます。

モノの価値は人が決めます。
そして人によって価値観は様々です。

貴重な絵画ひとつとっても、100万円払っても惜しくない人もいれば、1000円でも要らない人もいます。
家で眠っている絵画でも古本でもブランド物でも、本人は必要ないと思ってもお金を出して欲しがる人もいます。

であれば、出会って売買してしまえば双方にとってメリットがあります。
絵画なら、

「こんなに良い絵が100万円で買えてお得だった」
「自分にとって価値のない絵が100万円でうれてラッキーだった」

このように、価値観の違う人たちが取引をすれば、双方が得をします。
これが、市場取引の利益です。

メルカリやヤフオク、AIRBNB(民泊)やウーバーテクノロジーズ(タクシー)のような個人間のマッチングサービスが爆発的に普及するのも、皆が市場取引のメリットを感じているからこそです。

市場とは
築地の生鮮モノの卸市場や株式市場のような厳密なものでなく、個人間での交換があれば、それは市場です。

つまり経済活動とは、「価値観の違いの調節の作業」だとも言えます。

アダムスミスと市場
この差異の調節が市場の役割で、「市場で自由な取引をすることで、双方が利益を得る」と説きました。
このような考えは今の自由経済、資本主義の根幹になっています。

マクロ経済とミクロ経済、経営学との違い

中村教授

マクロ経済ミクロ経済の違いは簡単です。
また、経営学との違いも解説します。
  • マクロ経済学は経済全体の大きな動きを見る
  • ミクロ経済学は経済の参加者であるいち個人・企業の行動を見る
  • 経営学は企業経営の競争戦略と組織戦略を見る

マクロ経済学

中村教授

マクロ経済学(マクロ経済)とは、経済全体の大きな流れを考える経済学の分野です。
例えばマクロ経済学の重要なキーワードは物価、失業率、消費、GDP、金利、為替レート、貿易などです。これらは全て、経済全体に関わるものですね。

マクロ経済学のよくあるテーマ
「日本銀行が長期金利を2%に設定した時、物価はどれほど上がり、失業率がどれほど下がるのか」
「貿易が倍に増えれば、為替レートにどれほど影響し、その結果物価が何%上がるか」
「物価が上がった時の消費はどれほど下がり、GDP成長にマイナスの影響を与えるか」

これらは全て、私たち個人・企業の全員に関わるという点がポイントです。

ミクロ経済学

中村教授

ミクロ経済学(ミクロ経済)とは、経済全体ではなく経済の参加者であるいち個人・企業に絞って考える経済学の分野です。
ミクロ経済学のよくあるテーマ
「物価が上がった時、個人はどれほど消費を控えるか」
「金利が下がれば、企業はどれほど設備投資を増やすか」
「ライバル企業が牛丼を20円値下げをしたら、一方のライバルはどれほど値下げし、その利益率はどれほど悪化するか」
「コンビニがアイスを10円値上げすれば、10代の客はどれほど購買意欲が下がるか」

このように、いち主体に焦点を当てて個々の行動を考えるのがミクロ経済学です。
例としてあげた牛丼店の価格競争やコンビニの価格戦略にも密接に関わっていて、価格、消費量、利益など人の身近な行動を分析しようとします。
企業経営やビジネスが好きな方は、ぜひ知っておいたほうが良い内容です。


中村教授

特にゲーム理論は、「自分がこの手を使えば相手はこの手を使うはず」といった行動の読み合いでとても役に立ちます。
企業の競争、外交、貿易、消費者の行動、恋愛など、様々な場面で実は幅広く使われているのがゲーム理論や、ミクロ経済学です。

マクロ経済学では経済全体をメインに見るため、個々の行動があまり重視されていませんでしたが、それとは違います。

ミクロ経済学は、より細かい人の動きを見るため親しみやすいと感じる方が多いと思います。
学生時代、ずっとゲーム理論の研究に明け暮れていた友人もいました。

中村教授

「マクロは大きい、ミクロは小さい」と考えれば良いでしょう。
マクロとミクロが紛らわしくなったら、「まみむめも」で、マクロが先に来る(大きい)、ミクロは後に来る(小さい)で覚えられます。

経済学と経営学の違い

中村教授

経営学は、企業どうしの競争と、企業内部の組織を研究する学問です。

マーケティング、会計、企業文化や人事戦略なども全て経営学の分野に入ります。

「なぜソフトバンクは一代であれほど巨大な企業になれたのか?」
「トヨタ自動車が高品質な製品を世界中で大量に滞りなく製造し供給する仕組みはどうなっているのか」
「アマゾンが成長した理由は何か」
「グーグルとトヨタでは、売上はトヨタの方が倍なのに、時価総額はなぜグーグルが圧倒的なのか?」
「イノベーションを起こす組織の特徴は何か」
など、企業経営にフォーカスを当てているのが経済学との違いです。

ビジネスパーソンとして役に立つのは間違いありません。
私も大学時代から経営学、経済学どちらも学んできましたが、会社実務で使えるのは経営学です。

ただし、企業経営も会社実務も、世の中の流れに左右されます。
リーマンショックの時はどの会社も辛かったですし、アベノミクスではどの企業も儲けやすくなりました。
そういう意味では経済学も役に立つことは間違いなく、「経営学も経済学もどちらも重要」です。

経済学の入門的勉強まとめ

中村教授

ここまで、経済学でなるべく重要な考え方を、キーワードを使いながら解説してきました。

なんとなくでも、「経済学の面白さ」を感じていただけたのではないでしょうか。

経済学はお金の計算や政策ばかりの難しいものではなく、実はとても身近で、あなたの意思決定のあらゆる場面で役に立ちます。

ここで紹介したのはエッセンスで、ほかにも重要な要素はたくさんありますが、経済学の魅力を少しでも感じていただければ幸いです。

経済学のエッセンスまとめ

経済学は、「最も効率的に成果を得るために、資源配分を最適化する意思決定のプロセス」。

重要なキーワードは、

  • トレードオフ
  • 機会費用
  • 限界的
  • 市場取引

 

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