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日本銀行の仕事と存在意義

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このページでは中央銀行の役割を解説します。

  • 実践的な経済学として中央銀行の勉強をしたい
  • 中央銀行の金融政策の目的を知りたい

このような方に役に立ちます。

現黒田日本銀行の政策

日本銀行の総裁は2013年3月から黒田東彦氏です。
就任当初から、目標は物価上昇率2%です。

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(写真:日本銀行)

20年のデフレ
背景は、デフレです。
日本は1990年台初めにバブルが崩壊してから長年物価が上がらず経済が上向いてきませんでした。

今後もデフレが続くと、経済はますます沈んでしまいます。
そこで、異次元の金融緩和によって、世にお金を出回らせて経済活動を活発にし、デフレ克服をするために何としても達成したい目標です。

円安で株高
また、金融緩和をすると円安になるという利点があります。
国内金利が他国よりも下がれば外国の銀行にお金を預けた方が得ですし、また、日本円の量が増えれば相対的に需要よりも供給が増えて円の価値が減るからです。

円安は輸出企業を支え、日経平均株価を上げるのに効きます。

資金調達コスト減
さらに、金融緩和をして金利を下げれば、誰もが低コストで資金調達ができるようになります。
企業の設備投資や住宅ローン購入などの後押しになります。
もっと言えば、日本政府の歳入は借金に頼るところが大きい中、新規国債発行や国債の借り換え時に低金利で調達できるというメリットもあります。

このように、黒田日銀の目標はデフレ脱却、景気回復です。
しかし、もともとそれが中央銀行の役割であったかというと、そうではありませんでした。

1980年代後半の日本のバブルの時は地価などの過度な高騰に歯止めをかけようとしました。
また歴史的に見れば、第2次世界大戦中、ドイツ通貨マルクがハイパーインフレを起こして国民が困窮した経験から、過度なインフレを防ぐことが中央銀行の役割だと考えられてきました。

日本銀行の役割

日銀の本来の役割を見てみましょう。

日本銀行法をチェック

日本銀行法
(平成九年六月十八日法律第八十九号)第1章 総則
第1条  日本銀行は、我が国の中央銀行として、銀行券を発行するとともに、通貨及び金融の調節を行うことを目的とする。
2   日本銀行は、前項に規定するもののほか、銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を図り、もって信用秩序の維持に資することを目的とする。第2条  日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。

(引用)e-Gov http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi

要約すると、決済を円滑にすることと、物価の安定です。

決済を円滑にすることは、金融システムの安定と言い換えられるでしょう。
実際、日銀のHPを見ると内国為替、外国為替、銀行券(お札)発行流通、決済、統計、調査など多くの業務で、金融システムを維持していることがわかります。

日銀の最大の目的
物価の安定は、それ自体が目的ではありません。
「物価の安定を手段として経済の発展に貢献する」のが重要なのです。

ですから、単に物価が一定であればよいということではありません。

デフレは悪です。
デフレでは経済は発展しません。
雇用も賃金も増えません。

「デフレを克服して国民を豊かにするため」に、金融政策を打つのです。
これが日銀の第一の役割です。

よく日銀の3つの役割として、政府の銀行、発券銀行、銀行の銀行と言われています。
これらは実務として重要な機能ですが、経済を好転させるためには何といっても金融政策が重要です。

対照的な米国経済とFRB
ところで、2017年2月時点で、米経済は絶好調です。
雇用も物価もGDPも増加傾向です。
ウォーレン・バフェット氏は「奇跡的」と表現しています。

FRBイエレン議長は比較的タカ派(金融引き締めをためらわない。ハト派は、金融引き締めに慎重)です。

過熱気味の米国経済は、行き過ぎると思いもよらぬインフレを巻き起こすことがあります。
それは避けようと、引き締めのため金利引上げを匂わせています。

なんとか上がらない物価を上げようとする黒田日銀の姿勢とは対照的です。
中央銀行の本来の役割からいえば、FRBが主流です。
日銀が苦しんでいるのも、この20年間日本の景気が異常ともいえるほど上向かないからです。

中央銀行の重要な情報発信はシグナリング

中央銀行の為替政策として重要なものがもうひとつあります。
それはシグナリングです。
中央銀行のスタンスを市場に分かりやすく示すことです。

シグナリングは「考え方の表明」

中央銀行は、金融政策そのものと同じくらい、考え方を外部に発信することが重要です。

市場の先行きをどのように見ているのか。
金融緩和を今後長く実行するつもりなのか。
あるいは緊縮に走るつもりなのか。
今の景気に対して、現行の金融政策が適正だと思っているのか。
修正するつもりなのか。

市場はとても神経質で不安症です。
もし日本銀行が今後引き締めに走るようなサインを見せれば、たちまち投資を手控えます。
日銀としては、「景気の回復が継続して観測されるまでは金融緩和を緩めるつもりはない」など、意見を明確に表明することで市場を安心させることができます。

表明する場はいくつかあります。

金融政策決定会合
6週間に1度、日本銀行は金融政策決定会合を開きます。
これは2日がかりで行われ、2日目の午後には総裁が会見を開きます。
そこで日銀の政策と、総裁はじめ政策委員の考え方も表明します。
また、一定の時間が経てば議事録も公開されます。

講演会
日銀総裁は、全国の講演会にたびたび呼ばれます。
そこでの発言内容は記事になります。
そこで、ブレがないか、変化の兆候はないかを確認することができます。

会合
中央銀行総裁や財務大臣が集う会合は定期的に在ります。
G20会合、IMFなど。
そのような場での発言も、重要なシグナルです。

フォワード・ガイダンス

このようなシグナリングを含め、事前に今後のポリシーを表明しておくことをフォワード・ガイダンスと言います。

また、余談ですが、為替についても同様です。
為替介入の実行者は日銀ですが、日銀はあくまでも代理人であり決定権は財務省にあります。

財務大臣や、事務方の為替担当の財務官(2015年7月からは浅川雅嗣氏)の合議のもとで決められます。
その担当者たちはメディアに出る機会も多く注目度も高いですから、そこで分かりやすいコメントを日ごろから表明するのです。

ニュースや新聞を見れば黒田総裁や麻生財務大臣などは為替についてコメントを表明していることが分かります。
これにも注目することは為替を読むうえで、非常に重要なのです。

日銀黒田総裁は就任以来、2%の物価目標を掲げ続けています。
達成時期を何度も先延ばししていますが、それでも看板を下ろしていません。

それもフォワードガイダンスの一環で、「決して物価目標を達成するまで金融緩和を辞めません」と、受け手である私たち投資家やビジネスパーソンに安心してもらう狙いがあります。

まとめ|今株は買いなのか

中央銀行の役割は、物価の安定、金融システムの安定、それらによって国民の生活に貢献することです。

現状の日本経済を見ると、物価は不安定というよりも横ばいで、ある意味で安定しています。
デフレを克服して物価上昇に持っていきたい日銀とすれば、金融政策は当分緩和のままでしょう。

普通、緩和は国債の買いオペレーションと、低金利政策です。
これだけでも株の投資には有利です。

資金調達が容易で企業業績にプラスになりやすい
株価は物価に連動して動くためインフレ圧力になると株高になりやすい

また、日銀は投資信託を通して上場企業の株を20兆円買い入れて株高を支えています。
実際、株価も安倍政権・黒田日銀体制になってから比較的堅調です。

日経平均株価
株投資にはまだチャンスがあると考えられるでしょう。

中央銀行の役割のまとめ
  • 中央銀行の役割は決済を円滑にすることと、物価の安定
  • その結果としての経済の発展

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