このページでは、投資やビジネスに役立つ「市場の失敗」と情報の不完全性についてやさしく解説します。
経済活動は、ビジネスでも投資でも取引です。
取引を行わせるために営業、マーケティング、プロモーションがあります。
しかし、それらがうまくいかない、取引が生まれないのは「情報の不完全性」が理由です。
このような市場の失敗を防ぐには、「情報の不完全性」の正しい理解が欠かせません。
情報の不完全性とは
もしお金の貸し借りで、あなたが貸し手なら、不安は尽きません。
- 借り手は信用できる誠実な人物か
- 急に借り手がリストラに遭って収入が途絶えないか
- 今は自分にお金に余裕があるが、急にそのお金が必要になったらどうしようか
借り手のことをよく知っており、将来起こることも予測がつくなら不安は減りますが、そういうケースはなかなかありません。
このように、現在から将来にわたって、必要な情報が不十分であることをまとめて
情報の不完全性といいます。
そして、この情報の不完全性があるために、「取引のリスクよりも取引のメリットが少ない」と感じてしまえば金融取引は行われず、「市場の失敗」になってしまいます。
対処可能なリスクか、不可能なリスクか
金融取引は、異時点間にわたるためにさまざまなリスクが生まれます。
リスクですぐに思いつくものは、貸したお金が期日までに返ってこないこと、つまり貸し倒れリスク(信用リスク)です。
非システマティックリスクとシステマティックリスクの違い
また、どれほど優良な相手を選別しても避けられない問題もあります。
信用リスクは厳密に言うと、個別リスク(非システマティックリスク)であって、市場リスク(システマティックリスク)ではありません。
個別リスクは個人的理由に関するリスクで、たとえば「その人が特別に怠慢だから貸し倒れが起こった」などです。
市場リスクは、個人の優劣にかかわらず、市場全体の理由に関するリスクで、例えば借金をしたのがどれだけまともな人であっても、日本全国を襲う不況があって、皆が貸し倒れた、などです。
市場リスクは個人情報をどれだけ調べても防ぐことができません。
ほかにも、お金に余裕があってどこかに貸したが、後で急にお金が必要になるリスクもあります。
いったん貸した後で、貸し手にすぐに急な出費が必要になることもあり得ます。
その時に、貸したお金が必ずすぐに返ってくるとは保証できません。
借り手が「満期はまだ先だと思って、既に設備の購入に充ててしまって今すぐには現金化はできない」ということもあるでしょう。
4つの情報の不完全性
このように、金融取引にはいろいろな不安があります。
全ての理由は、情報が不完全だからです。
情報が不完全であることで、「市場の失敗」が起こります。
この情報の不完全性は、4つに分けられます。
これらの違いを理解し、解消することが金融取引のリスクを減らします。
経営や投資のリスクも同じで、事業、株、不動産などどのような投資でも大いに役に立ちます。
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