中村教授
金利を理解しておけばビジネスや投資、資産作りに役立つだけでなく、銀行預金や金融のニュースも理解しやすくなります。
アキ
中村教授
このお金を貸し借りしたり将来の約束をする取引を金融取引と言いますが、金利とは金融取引の調整役を果たします。
中村教授
中村教授
(引用)日本銀行HP 貸出約定平均金利
- なぜ利子が発生するのか
- 金利・利子の意味は何か
- 銀行や国債の利子率・利回りが決まる方法
目次
金利・利子の意味とは
中村教授
異時点間にわたる取引とは、金利を介して現在のお金と、将来のお金を交換する取引です。
- 借り手は、将来100万円の元本に利息5万円を上乗せして返済する義務(債務)を、現在100万円で売る
- 貸し手は、将来100万円の元本に利子5万円を上乗せして返済してもらう権利(債権)を、現在100万円で買う
中村教授
金利と金融取引のメリット
アキ
中村教授
アキ
中村教授
さらに言えば、利子の金額5万円は、双方にとって異なる価値だということです。
借り手は、時間をかければビジネスを成功させ利潤を10万円にできると思うから、利子5万円は安い。
あるいは、今すぐ住宅や車が手に入るという権利は5万円追加で払っても惜しくない。
貸し手は、お金が余っていて自分では何かビジネスをしたくはないが、お金は効率よく殖やしたいと思っています。
自分で手元にお金を置いたままにすれば1円も増えませんからよい案ではありません。
あるいは他の人に貸すなどの運用方法では5万円以下の利潤しか得られないと思えば、あえて一番収益性の高そうな利子5万円の取引を選びます。
お互いメリットがあるから金利をかけてでも金融取引が成立するんですね。
具体的な金利の額で考えると、よくわかりました!
アキ
金利・利子の本質は「差異」
中村教授
中村教授
中村教授
利子が5万円なら、それこそが現在と将来の価値の差異だということです。
中村教授
そしてその差異は、利子という形式で現れます。
利子とは2つの時点の間の貨幣の価値の差異
アキ

貨幣の貸し借りとは、現在の貨幣と将来の貨幣とを交換する取引であり、借り手が橋手に支払いを約束する利子とは、現在の貨幣の価値と将来の貨幣の価値とのあいだに存在する差異の別名なのである。
その意味で、利子とは、現在と将来というふたつの時間の間の差異から生み出される差異にほかならず、いわば時間そのものの価値であるということができるのである。
(引用) 「ヴェニスの商人の資本論 (ちくま学芸文庫)」岩井克人著 ちくま学芸文庫 1992.6.26
中村教授
経済成長が停滞している国なら、今のお金の価値も将来の価値も変わらないと思われますから、差異はほとんどありません。
今の日本が低金利だと言うことと経済成長がゆっくりなのは、表裏一体です。
マイナス金利の意味とは
中村教授
貸し手が「余っているお金を今あなたに貸す代わりに、将来余分に利子を払ってもらう」ではなく、「保管料としてお金を支払ってもいいから将来までお金を預かってほしい」ということです。
中村教授
なんとも不思議な現象ですね。
利子率はどうやって計算されるか?
中村教授
- 銀行が大企業に土地建物を担保に10億円融資する
- アルバイト従業員が消費者金融にて無担保で10万円借りる
- 個人が住宅ローン3000万円を借りる
中村教授
銀行の利ザヤの仕組み
中村教授
そこで金利を設定して利ザヤが生じますが、その仕組みを紹介します。
資金調達コスト
中村教授
そして預金にはごくわずかながら利子が付きます。
この支払利子こそが銀行にとっての資金の調達コストです。
お金を仕入れるコストと言っても良いです。
この1000円が、100万円の預金に対する調達コストです。
また、銀行経営にも普通の企業と同じようにコストがかかります。
土地建物の購入レンタル費、人件費、事務処理費、などです。
そしてもし融資先が倒産してしまった場合は、貸した金が返ってこないので、その分はあらかじめ見込んで利子率に上乗せしています。
銀行の収入とは、企業や個人などに貸したお金の利息収入です。
つまり、資金の調達コストに加え、銀行の運営コストを賄い、それでも上回る収入を得られるような利子率を設定しています。
利子率と信用・時間
中村教授
リスクプレミアムと利子率
一般に、借り手は信用リスクの低い方が利子率は低く、信用リスクの高い方が利子率は高いです。
信用リスクが高ければ、融資が回収できなくなった時を見越して銀行の損失を抑える必要があります。
つまり、銀行が「こっちは危ない相手に融資をしているのだから、その分高い金利をよこせ」と、信用リスクに応じてリスクプレミアムが上乗せされるのです。
借り手も自分のような信用リスクを抱えているところには低い金利で融資してくれる銀行がないことを知っているので、高い金利の条件を呑まざるを得ません。
短期長期と利子率
また、短期よりも長期の方が利子率は高くなります。
短期よりも長期の方が、将来満期までの間に何があるかわからずリスクが高くなるためです。
イールドカーブという言葉があります。
これは満期の長さに応じて利回りがどれくらいになるのかを現した曲線ですが、一般的に右上がりになっており、短期よりも長期の方が利回りが高くなりやすいことを示しています。
中村教授
- 利子は、異時点間の価値の差異
- 利子率は信用(リスク)と時間に応じて決まる
中村教授、ありがとうございました!
アキ
深く考えたことがなかったのですが、ズバリ「差異」という言葉が本質だったんですね。
アキ
皆さんはどう思いましたか?
アキ
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