わかりやすいキャリートレード | キャリートレードと金利裁定の仕組みで見る為替レート

オフィスビルと川

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このページでは、キャリートレードの仕組みについて解説します。
キャリートレードは金利平価と関連して、為替レートを考える時に重要な取引です。

キャリートレードとは―金利裁定取引

キャリートレードとは、低金利の通貨で資金を調達し、高金利の通貨に替えて運用することです。
国際間の金利裁定取引のひとつです。

(画像)メットライフ 生命保険会社は巨額のプール金を運用する主要な機関投資家

キャリートレードと高金利運用

カバー付き金利平価説によると、「金利差を利用して稼ぐことは出来ない」と考えられてきました。

しかし、現実には低金利で資金を調達し、金利の高い別の通貨で運用することはごく当たり前に行われています。
生命保険会社、信託銀行などの機関投資家をはじめ、国内外の金融機関もこのような手法で投資しています。

このように、低金利で安く資金を調達し、高金利で運用することをキャリー・トレード(キャリー取引)と言います。

円キャリートレードの理由

日本の金利はここ20年以上歴史的に低水準です。
加えて銀行は大小合わせて110行以上あります(2016年時点)。
そのため比較的安い資金調達が簡単で、日本円は海外での運用に活用されています。

キャリートレードとサブプライムローン

たとえば2000年代前半には米国でサブプライムローンが多発しました。
これは低所得者に安い頭金で住宅を建てさせ、それを担保に住宅ローンを融資するものです。

(画像)リーマンブラザーズ本社

ローンを実行するのは米国の金融機関でしたが、その資金源は、米国の投資銀行(リーマン・ブラザーズもその1つ)やファンドでした。
そして彼らが資金調達に使ったのが、低金利の日本円だったのです。

日本の金融機関が米国でサブプライムローンの融資に直接関与していたわけではありません。

しかし、低金利の日本円が円キャリートレードによって海外に流れ、返済能力の低い融資先に高い金利を吹っ掛ける原資金になったのは事実です。
このように、金利差は意外なところで国際金融の世界で利用されてヘッジファンドや投資銀行の資金運用の支えになっています。

円キャリートレードによる為替レートの影響を見ると、興味深いことが分かります。

  • 世界経済の見通しが明るく、投資が活発ならば円安
  • 見通しが暗く、安全を求めるならば円高

キャリートレードの巻き戻し

よくニュースで円高になったことの説明として「世界経済の先行きが不安定になり安全資産とされる円が買われた」などと聞きます。
これは機関投資家たちが比較的安全な日本国債を買うことと、もう1つの理由があります。

投資家は普段は円キャリートレードによって、円で調達した資金を外貨に替えて運用しています。
それは株式、債券、不動産など様々です。

そしていざ海外で不安な出来事が起こると、リスクを回避しようとします。
外貨建ての株や債券などを売り、さらに外貨が減価することを恐れて資金を引き揚げようとします。

引き揚げる先はもちろん初めに調達した円です。
いつかは円建てで返済しなければなりませんから。

つまり外貨が売られ円が買われ、円高外国通貨安になるのです。

これをキャリートレードの巻き戻しと言います。
2016年では1月の北朝鮮によるミサイル発射、6月のイギリスによるEU離脱の国民投票、11月のトランプ大統領当選(当日のみ)は、不安定要素が大きいと投資家が判断したため円が買われ円高になりました。

  • 安全資産の円
  • 有事の円

はこのような由来です。

参考になった本。
初心者にもわかりやすく書かれています。

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