FXは金利差で儲けることはできるのか?FXは読みとスピードが大切

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中村教授、為替レートのメカニズムを知っていれば、FXなどの投資で儲けることができるんでしょうか?

アキ

中村教授

一般論として、為替予約を使えば、日本と米国の金利差を利用して、しかも為替リスクを完全に回避して、必ず儲けることができるかもしれません。
夢があります!

アキ

中村教授

ただし、為替予約は、ほとんどが銀行が取引先の商社などグローバル企業に提供しているサービス。
FXで使うのは聞いたことがありません。

中村教授

しかも、「そもそも為替予約を使ったとしても儲けられるかどうか?」
これには論争もあります。
具体的に考えて見ましょう。

金利差があれば為替予約すれば儲かる?

中村教授

100円を運用するケースで、日本円の金利(運用利回りと同義)が1%、米ドルの金利が4%だとします。

直物レート(現在のレート)も先渡りレート(将来のレート)も1ドル=100円です。もし直物レート(現在のレート)と同じく1ドル=100円のレートで先渡り契約(将来の為替予約)をすれば、1年後の回収額は必ず1.04ドル=104円になります。

円の金利は1%ですから、運用資金100円の調達コストは101円です。104円と101円の差額3円が利益になります。

中村教授

日本と米国の金利差を利用して、しかも為替予約を使って為替リスクを完全に回避して、必ず儲けることができるのです。
なるほど!
金利差を使えば儲けることができそうですね。
……ところで、落とし穴はあるんでしょうか?

アキ

カバー付き金利平価によると「FXでそんなおいしい話はない」

中村教授

疑り深いのも投資家として重要な資質です。
実は、カバー付き金利平価(CIP)によると、「この前提がおかしい」と言います。

儲けのポイントは、内外(日米)の金利差と、直物レートと先渡レートの差です。
つまり、上のケースでは日本と米国の金利差が3%にもなるのに、「現在の日米間の為替レートと、将来の為替レートは1ドル=100円は全く同じ」

という仮定をしています。

カバー付き金利平価によると
「金利差があるのに、為替レートが変動せず放っておかれるのはあり得ない」
というのです。

中村教授

つまり、みんなが同じ行動に走って、ひとりひとりの儲けがあっという間に無くなる、ということですね。

カバー付きで金利裁定を投資家皆がやると・・・

モノの裁定取引と同じで、もしこれだけの金利差があれば、誰もが日本で円を調達し、円を売ってドルを買い、米国で運用します。(直物スポットの円安ドル高)

そして1年後、円を返済しなければなりませんからドルを売って円を買います。
為替リスクをヘッジするために、先渡し契約をあらかじめ結びます。

そこで皆が1年後にドルを売って円を買う先渡し契約を結ぶために、円高ドル安が起こってしまうのです。(先渡フォワードの円高ドル安)

為替レートの調整変動によるダブルパンチ

円をドルに替えて米国での運用を考える時、スポットの円安ドル高は、今両替によって手にするドルが少なくなることを意味します。
フォワードの円高ドル安は将来ドルを円に替える時に手にする円が少なくなることを意味します。

たとえばもう1つの例ですが、2017年現在中国での銀行預金金利は4~7%です。
日本人が円を売って人民元を買い、1年間中国の銀行に預金して1年後に元から円に換えようと思っても、先渡りレートは円高方向に調整されています。


中村教授

このように、為替予約によってリスクヘッジして儲けることは出来ません。皆が同じ事をするために、利ザヤが取りつくされてしまう合成の誤謬が起こるのです。
そんな美味しい話は、みんなが放って置かないのでチャンスも奪い合いになるということですね。
残念……。

アキ

FXのポイントは読みとスピード

中村教授

今の話はFX投資をしたい人には重要なので、あと1つだけ付け加えます。
ぜひお願いします!

アキ

中村教授

投機家は金利差を求めて世界中投資先を探しまわります。
よい投機先が見つかれば、投機家は殺到して為替レートが調整されて利ザヤのチャンスがなくなってしまうまで続きます。

結局、後発組は同じ取引をしても全く利益を得られないのです。

せっかく良い金利差があっても、皆がやれば為替レートが調整されてしまうため、「行きが少なく帰りも少ない。金利差分は食いつくされる」わけです。

そこでプロのトレーダーはどうしているのか?
統計発表、中央銀行の政策会合は重要なイベントです。
そこで、ある程度の数値予想や、それに対して市場がどのように反応するのかをあらかじめシナリオ設計しておきます。

あとは、実際にその時がきたら迷いなく取引ができるかどうか。
自分のトレードを信じることができるかが勝負でしょう。

中村教授

特に理論と現実の為替レートが大きく乖離しているときなどは要注意。
市場を注視して、あなたなりの気づきがあれば優位かもしれません。

 

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