【為替レート理論】金利平価説とは。高金利通貨の運用と為替レートへの影響

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中村教授

金利平価説についてわかりやすく解説します。
金利平価説とは外国為替レートの動きを説明する有力な理論です。
中村教授、よろしくお願いします!
金利平価という言葉は外国為替レートの動きや、FXの金利スワップでも必ず目にする言葉なので、気になっていました!

アキ

中村教授

金利平価説とは、こういう意味です。
金利平価説とは、金利から為替レートの変動を説明する有力な説です。金利裁定取引とは低金利通貨を高金利通貨に替えて運用し利益を得る方法で、多くの投資家が行います。この金利裁定によって為替レートが変動し、最終的にどの通貨でも運用益が同じになるまで続くという考えが、金利平価説です。金利による運用利回りが平価、つまりイコールになるという意味です。
  • 金利平価説の理論的解説
  • 金利平価説の計算
  • 金利平価説と金利裁定
  • 金利平価と為替レートの関係

金利平価説と為替レート

中村教授

為替レートのメカニズムを説明する非常に重要な理論なので詳しく解説していきます。

金利平価説と購買力平価説の違い

中村教授

よく比較される購買力平価は「2国間で同じモノの価格が違っても、裁定取引などで為替レートが調整され、結局は為替レートを加味すれば2国間で同じ価格になる」という理論です。

中村教授

つまり、モノの価格と貿易から為替レートを考える説。
一方、金利平価説とは、金融からのアプローチです。

2国間で金利が違っていても、投機的行動によって為替レートが変動するため、結局は運用益が均(なら)されてしまうのでどの通貨で運用しても収益率は同じ

金利平価説が有力な理由

為替レートでは、金利平価と購買力平価のどちらが重要なのでしょうか。

アキ

中村教授

どちらかというと、金利平価。特に短期の場合。
次に購買力平価。特に長期で重要です。

なぜか。
2国間で物価が違うとき、安い国で仕入れ、高い国で売る「裁定取引」が行われます。
これはモノの移動。貿易にはモノの輸送・人の移動コストがかかります。
長期的に見れば徐々に価格差は埋まるかもしれませんが、もしかすると価格差が放置される可能性もあります。

一方、金利ならどうか。
マネーには物理的な制限がなく、仮に月面からでもネット環境があれば取引が可能です。
金利差がある場合、まさに一瞬で世界中の投資家が金利裁定をします。
その時に通貨両替も行われるので、為替レートもすぐに変動するわけです。

中央銀行の金融政策と金利平価説

中村教授

世界の金利は、ある秩序に沿って動いています。
1番影響力を持つのが、中央銀行の金融政策。
  • 日本銀行の金融政策決定会合
  • 米FRB(Federal Reserve Board:連邦準備制度理事会)
  • ECB(European Central Bank:欧州中央銀行)

中村教授

特に、利上げをするのかしないのか、量的緩和策は継続・引き締めかが大きな焦点になっています。
その結果次第で、為替レートは大きく動きます。

金利平価説と投機家の行動

金利差を利用して儲けようとする時、投機家はどのような動きになるんですか?

アキ

中村教授

投機家は「競争の中、最も利益率が良く、かつローリスクな投資先は何か」を考えて行動します。

金利平価と投資家の競争

中村教授

魅力的な投機先が現れては資金が殺到し、また別のものが現れては殺到する状況ですから、厳しい競争です。
為替ディーラーや国債ディーラーは、為替レートや金利を見ながら、常に新たなチャンスを探しています。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)

金利裁定と裁定取引

中村教授

通貨も投機先ですから、その国の通貨の金利が投機に影響します。
安全かつ高利回りであればその通貨は買われ高くなるでしょうし、低い信頼度かつ低利回りであれば、通貨は売られ安くなるでしょう。

中村教授

例えば、円は低金利、ドルは高金利であれば、日本で安く資金を調達し、米国で高い利回りで運用します。
すると円安・ドル高になります。
なるほど、よく米国でFRBが利上げをするとドル高になりますよね。

アキ

中村教授

そう。
金利平価とは何のことはない、金利の安い国で資金を調達し、金利の高い国で投資する金利裁定の結果です。

金利裁定の取引。円高・円安のケーススタディ

中村教授

金利裁定機会がある時、機関投資家などの投資家がどのように反応するのか具体的に考えましょう。
1.低金利の円を調達し外貨に両替
円は世界的に見ても低金利です。
ドルは比較的高金利ですから、日本で安く円資金を調達し、米国ドルで高い利回りで運用します。

この時、米国運用にはドルが必要なので、円を売って、ドルを買いが起こります。(キャリートレード)
一時的に円安ドル高になります。

後発組は勝ち遅れる
しかし、皆チャンスを逃さないので、すぐに円安ドル高になります。
皆がドルを買えば、米国債の価格が上がるため利回りが下がり、ドル運用が魅力的でなくなります。
しかも、円安なので円から替えられるドル建て額はそれほど多くはなくなります。
2.運用が終わり、ドルを円に替えて円を返済
その後、ドルの資産運用が終われば、最初に資金調達のために借りた円を日本の銀行に返さなければなりません。

運用はドルでしていましたので、ドルを売って円を買います。
円高ドル安になります。

中村教授

このような流れを理解して、量やタイミング、きっかけを予測できれば、FXでは相当有利かもしれませんね。
それが難しそうではありますが。

アキ

金利平価説まとめ

中村教授

高い金利の通貨ドルを狙って金利裁定を行っても、裁定には外国為替の両替が必ず必要で、為替レートが動いてしまう。
為替レートの調整分を差し引けば、運用利回りは結局自国通貨のみでの運用に落ち着いてしまう。

これが金利平価説です。

中村教授

金利平価説を一言で定義するとこういえます。

「2国間で金利が異なる場合でも、金利裁定が行われ為替レートが調整されることで、2地域間での運用の収益率は等しくなる」

条件には、リスクなど金融資産の質が同じこと、資金移動が自由なこと、投資家のリスク許容度が同じことなどがあります。
私たちが最も注目するのは円/米ドルです。
これらの条件はほぼ満たしているため、金利平価が成り立ちやすい状況です。

金利平価説によると為替で儲けられない?

この説によれば、金利差を利用して儲けられそうですが、チャンスはあるのでしょうか?

アキ

中村教授

為替ディーラーなどの機関投資家が常に金利裁定機会に目を光らせていて、チャンスがあればすぐに資金を投入し、安全に利益を出しています。
だから個人のFX取引で対抗するのは難しい、と言われるのですが、実際はそうとも限りません。

中村教授

カバー付き金利平価は多くのケースで成立しますが、為替レートの変動要因には購買力平価(物価)、マネタリーアプローチ、アセットアプローチ、投資家心理などが複雑に絡んでいます。
長期的な予測はある程度予測ができる可能性がありますが、短期的なトレンドはころころ変わります。

中村教授

FXのデイトレードや短期投資家は、個人ならではの柔軟さで市場を先回りしたり、抜け穴を探すことはできるわけです。

中村教授

ジョージソロスのように通貨投機で巨額の利益を得た投資家もいるのですから。
(トランプ大統領当選では1,000億円ほどの損を出したそうですが)
理論も活用しながら立派なFX投資家になりたいです!

アキ

【補足】金利平価説をFX取引に活用する指標

中村教授

最後に、金利平価説をどのように活用すればよいのかを解説します。

中村教授

金利を考えるうえで最も基本的な指標は、長期金利です。
つまり、10年物国債の利回りです。

10年物国債は、しっかり元本や利子が支払われるか(貸し倒れリスク)、もし資金が必要になって売りたいときに誰か買い取ってくれるか(流動性リスク)、他に安全で高利回りの商品が現れないか(金利リスク)などをもとに、投資家の売買によって日々調整されています。

日本国債は数ある投資先の中でも、最もリスクの低いものだと考えられています。
この利回りを基本に、他の投資先を比較します。

10年物国債の利回りは次のようになっています。(2017年11月時点)

日本 0.025%
米国 2.4%
【参考】楽天証券HP:https://www.rakuten-sec.co.jp/ 2017.11.10

為替レート
1ドル/113.558円
【参考】Yahoo!ファイナンス:http://finance.yahoo.co.jp/ 2017.11.10

米国利回りの方が高いのに円が全て米国債に向かわないのは、「米国債には上記のようなリスクがある」こと、あるいは「為替レートが調整されれば今の金利差水準が適正だ」と投資家が考えているからです。

金利の本質

中村教授

金融取引とは、異時点間にわたるお金の取引です。
そして、金利は現在のお金の価値と、将来のお金の価値との差異のことです。
金融取引は、その差異を求めて行われます。

 

同じ100万円であっても、現在の価値と、将来の価値は必ずしも同じではありません。
つまり、借りるときの100万円の価値と、返す時の100万円の価値は同じではなく、差異があるということです。
差異の分は上乗せして返さなければなりません。
上のケースでは、利子の5万円こそが、その差異だということです。
差異こそが利潤の源泉であり、金銭的な差異を求めて行う取引が金融取引だというわけです。
そしてその差異は、利子という形式で現れます。

中村教授

金利とは、その通貨の価値を反映する最も基本的な指標です。
金利には、投資として利益を得るという面と、必要な資金を調達するためのコストという面があります。
金利はその通貨の価値を表します。
金利=通貨の価値ですね。

アキ

 

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