マーケティングを勉強しよう。社会人が独学できるオススメ本・アプリ

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この記事では、マーケティングの初心者向けの入門的な本から、実務で使えるマーケティングを勉強するためのオススメの本を紹介します!
一冊ずつ、独学するヒントとして本の簡単な解説をしています。

アキ


私は投資やビジネスに興味を持ってから、色々な企業のニュースを目にする機会が増えましたが、企業戦略でマーケティングの考え方を知らなければ理解しづらいことも多く……

アキ

一度しっかりマーケティングを体系的に身につけたいと思うようになりました。

アキ

そこで今回は、マーケティングに詳しい、WEBマーケターの西野さんに聞きます!
西野さん、よろしくお願いします!

アキ

マーケター西野

西野です!
最近、個人でも企業でも、どこもかしこもビジネスでは「マーケティング」って言ってるよね。
USJ復活でもマーケティングが注目されたよね。
私も著作を読みました!

アキ

マーケター西野

面白いよね。
で、マーケティングは華々しい魔法の杖のように考えられているけど、その本を読むだけでも、マーケティングはとても地道で泥臭い仕事だということがわかる。
そうですね、印象は変わりました……!

アキ

マーケター西野

だよねー。
マーケティングは「市場調査」「広告」「プロモーション」ばかりが取り上げられがちだけど、実際はメーカーとの仕入れ交渉、ライバルとの熾烈な売り場の奪い合い、販売代理店との関係構築、工場から小売店までの流通網の確保など、外から目には見えずらいが重要な仕事もある。
どれも欠かせない大切な仕事ですよね。

アキ

マーケター西野

もちろん、消費者理解や競合他社との差別化、プロモーションも大事だけど、行動経済学やデータ分析という科学的な考え方も武器になる。

マーケター西野

そこで、現実的に役立つスキルを学べる方法という観点から、マーケティングの勉強に役立つ「これは」と思う本を選んでみた。
心強いです!

アキ

この記事は、このような方に役立つ情報を紹介しています。

アキ

  • マーケティングの入門を学びたい初心者
  • 仕事や日常で未経験からマーケティングの知識をつけたい人
  • 論理的に消費者行動を分析したいビジネスパーソン
  • マーケティングを学びキャリア・転職に生かしたい人

マーケター西野

そして、本は主にこういう観点から選んで見た。
  • 基礎的なマーケティングの教科書本
  • 実務担当者マーケッターの実体験の本
  • マーケティングに強い企業の事例
  • 消費者理解のための心理学

 

マーケティングとは売れるための仕組み作り

本題に入る前に少しだけ教えてほしいのですが、そもそもマーケティングって何ですか?

アキ

マーケター西野

そうだねー。
マーケティングは、売れるための仕組み作り」というのが一番支持されている考えじゃないかな。

「マーケティングとは、売れるための仕組みづくり」

市場調査や広告戦略だけではない、ということですね?

アキ

マーケター西野

その通り!

マーケター西野

仮に消費者データがあっても、その活用方法がわからなければ宝の持ち腐れだし、良い商品を作っても小売店が扱ってくれなければ話にならないし、広告でもSNSやリスティング広告とかいろんなチャネルがある時代だからね。

マーケター西野

消費者の目には見えない仕事は山ほどあるし、実はそちらが成功の鍵を握っている時もある。
マーケティングは商売の一連の流れを知っておく必要がある!
もちろん、会社の組織づくりも大切だ。

マーケター西野

ということで、網羅的にマーケティングを勉強できるよう、ジャンルごとに本を紹介しよう!
よろしくお願いします!

アキ

 

マーケティングの基本から勉強したい方がまず読んで欲しい本

マーケター西野

ここからは、ゼロからマーケティングを勉強したい初心者か、今までの断片的な知識を整理したいという方向けの本を紹介しよう。
先に紹介する「グロービスMBAマーケティング」は教科書的な内容で、次の「ハイパワーマーケティング」は大切な心構えやすぐに応用できる具体的なテクニックだ。

「グロービスMBAマーケティング」

マーケター西野

知識ゼロの初心者が、基礎から学ぶためには「まずはこの一冊!」とオススメできる内容。
大学の教科書としても使われているほど、わかりやすく体系的に学ぶことができる。

マーケター西野

特に秀逸だと思っているのはマーケティングの王道プロセスとフレームワークをひと通り学べること。

マーケター西野

王道プロセスとは、こう言うこと。
  • マーケティング環境分析
  • 市場機会と脅威の発見
  • ポジショニング
  • マーケティングミックス(4P)

マーケター西野

これが頭に入っていれば、ものが売れない時に「環境分析で間違っていたのか」「選ぶべき市場を間違ったのか」「競合との差別化が失敗しているのか」「商品や価格がダメなのか」など、順番に点検できる。
この知識が頭にあるかどうかで違いそうですね!

アキ

マーケター西野

全く違う。
そして、フレームワークとは、
  • 3C
  • SWOT
  • 5フォース
  • PEST
  • 製品ライフサイクル

マーケター西野

などがある。
フレームワーク至上主義は問題だけど、ビジネスの会話でこういう最低限のフレームワークや意味を知らないのは頼りないし、せっかくわかりやすく分析できるツールなのにもったい無い。
基本を体系的に学べる本ではこの本ががシンプルに一番よくまとまっていると思う。
私もこのグロービスシリーズには助けられました……

アキ

 

「ハイパワーマーケティング」

マーケター西野

「売るとはどういうことか?」「顧客を喜ばせながら、ふさわしい対価を得るというウィンウィンの関係を築くには」という、基本的な心構えを勉強させてもらった。

マーケター西野

当たり前のことや、どこかで見聞きしたことがあるようなノウハウも書かれているけど、それはこのジェイ・エイブラハムが元祖で、彼が広めたアイデアだからだ。
と、この本には書いてある。

マーケター西野

「100冊の平凡な本よりも、一冊の良書を」
ということで、この世界中のマーケティングの原点とも言える本。
そうですね、根本的な存在理由という点で、ちょっとドキッとするような質問もありました。
例えば……

アキ

  • 「あなたの会社が潰れれば、困る人はいるのか?それはなぜか?」
  • 「顧客はなぜあなたの商品を選ぶ必要があるのか?」
  • 「あなたの商品はどのような価値を提供しているのか?」

マーケター西野

そうだねえ。
一見遠回りのようだけど、こういう根っこがあるかどうかは長く顧客に愛され続けられるためには必要な要素だと思う。

マーケター西野

同じくジェイ・エイブラハムが書いている「クラッシュ・マーケティング」という本もおすすめ。

実務家・マーケッターによる実践的マーケティングの解説

 

マーケター西野

基礎的な本を紹介したところで、今度は実績がある人物が書いた本を紹介しよう。
ビジネススクールではケーススタディが多いように、実際の事例は「自分のケースに当てはめるとどうか」と考えれば非常に勉強になるし、読み物としても面白いのが良い点だ。

USJ復活のマーケター森岡毅

マーケター西野

USJ復活のマーケター森岡毅氏。
情熱のマーケターだ。

マーケター西野

森岡剛さんはマーケティングの実践と教育に定評があるP&Gの出身。
ブランド畑で活躍しアジア人初の役員候補とまで言われたが、ポストを蹴りどん底のUSJで火中の栗を拾った。

 

マーケター西野

「確率思考の戦略論」は、USJで実証されたマーケティングの理論を体系立てて説明しているマーケティングのバイブル。
パートナーの数学者今西聖貴氏との共著で、マーケティングに必要不可欠な統計分析の手法も。
マーケティングを実践的なレベルで理解したいなら、ぜひおすすめ。

マーケティングはプレファレンスと認知と配荷に分けられる。そのうちプレファレンスこそ最も重要だ。

ーー森岡毅

マーケター西野

「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」はUSJの事例と、いちマーケターとしての、キャリアや仕事への私見が読み応えがある。

マーケター西野

「マーケティングとは組織革命である。」はマーケティング戦略を機能させるための会社組織を構築する具体的な考え方・手法についての話。
森岡さんはあちこちでマーケティングの手法を惜しみなく公開しているので、ぜひ調べてみてください。
詳しくは、こちらのページでも紹介しています!

アキ

usj-marketing マーケティングのプロ森岡毅さんを語ろう。USJ回復のマーケター森岡毅

セールスの達人神田昌典

マーケター西野

「売る」という一点についてシンプル強力なやり方が知りたいなら、神田昌典氏。
コピーライティングの書き方や、心理学面で、誰でもすぐに役立つ実践的な内容を解説している。

マーケター西野

神田昌典さんはセールスのスペシャリストだということもあり、本のタイトルも魅力的。
おすすめは監訳を担当している「ザ・コピーライティング」や「最強のコピーライティングバイブル」。

マーケター西野

文章を考えるよりも先に消費者を理解することが大切だと言っている。
セールスの基本とは、消費者の悩みを理解して、それを解決できると消費者に納得してもらうこと。

マーケター西野

すぐに使えるテクニックが身につくのはもちろん、その裏にある深い考え方までも掘り下げてくれる点で、勉強になる。
マーケティングよりも、セールスに近いかもしれないが。

マーケティング成功企業の事例・研究

 

マーケター西野

こちらもケーススタディだが、個人ではなく企業や業界についての成功理論をメインに紹介しよう。

「P&Gのブランド戦略」

マーケター西野

世界有数のマーケティングカンパニー、P&Gの考え方や組織が解剖されている。
世界で最も宣伝広告費を使っているのがP&Gだけど、その理由は日用品は競争相手が多くて製品の差別化が難しいからだ。
ここだけの話、歯ブラシとか洗剤って、劇的に性能が変わるわけじゃないからね。
知りたくなかったですね。

アキ

マーケター西野

でも、だからこそ「消費者理解」や「競争優位」とかマーケティングの力がつくわけだ。
先ほど紹介した森岡毅さんもP&G出身だし、その他にもGE(ゼネラル・エレクトロニック)のCEOやマイクロソフトCEOなど大物人材を何人も輩出している。

製品アイデアからブランドのマーケティングまで、P&Gは開発過程のあらゆるステップにおいて、熱心に消費者調査を行い、深い関心をもってその実態把握に努めている。

マーケター西野

この本ではそんなP&Gのマーケティングへの本質的な考え方と、消費者志向を実現するための「ここまでやるか」という行動、そして組織づくりがよくわかる。
そりゃ強いよね、P&G。

マーケター西野

こちらの本もオススメ。
これは株価や業績のトップ企業と、ブランドや理念との関係を調べた本。
キレイ事ではなく、企業の成長にはテーマや使命が大切だとわかる。
もちろん、P&Gのことも語られている。

 

「ディズニー7つの法則」

ここでディズニーですね!

アキ

マーケター西野

ディズニーほど取り上げられやすい企業はないので、やっぱり触れておかなければならない(笑)
ただ、あくまでも読み物として紹介しておく。

マーケター西野

人は驚きで行動する。
驚いた時に、物を購入したり、記憶したり、誰かに伝えたくなる。
ストーリー作りに膨大なコストをかけているけど、記憶に残る効果まで考えれば、コスト効率が悪いとは言えない。
夢の世界をゼニで語られたら夢が壊されるような気が……!

アキ

マーケター西野

ご心配なく。
この本は、サービスの面から語られているので、あまり生々しい話はない。

マーケター西野

財務や経営戦略の面から考えれば物足りない内容かもしれなけど、改めてディズニーのサービスの凄さを実感するには良いかも。
ウォルト・ディズニーの等身大のマネキンがあって、その衣装も全部当時の製法を忠実に再現している話なんかは、やっぱり「そこまでやるか!」と驚かされるよね。

学問としてのマーケティングを学ぶ

マーケター西野

ここからは実務家やジャーナリストではなく、学者による研究本や大学で使われるような教科書だ。

マーケティングの権威コトラー教授

マーケター西野

フィリップ・コトラー教授はマーケティングでもっとも有名な教授の一人。
ポーターは競争戦略論、コトラー教授はマーケティングとして知られている。

マーケター西野

このページ」は主にコトラー教授の主張をヒントにさせてもらっている。
マーケティングを勉強したことがある人なら一度は聞いたことがあるかも。
海外でたいへんに有名な先生だけど、実は言っていることはすごくシンプルで、二つだけ。
シンプルなまとめって、大好きです。

アキ

マーケター西野

その大事な二つとは、顧客ニーズと競争優位性だ。
憶えます!

アキ

マーケター西野

どれほど優秀な人でもマーケティングの勉強や実務での実践を重ねるうちに、いつの間にか組織や取引先だとか、悩みが多すぎて基本が疎かになっていく。
この二つだけ初心として忘れないようにしてほしい。

マーケター西野

「コトラーの戦略的マーケティング」は、マーケティングをより科学的な形でまとめた本だ。
「グロービスMBAマーケティング」を読んだあとに、もっと学問的・理論的な観点からマーケティングを勉強したくなったら、おすすめ。

マーケティングの中心概念は、交換である。

ーーフィリップ・コトラー

マーケティング勉強の落とし穴「流通論の基礎」

マーケティングでも流通の考えが必要なんですか?

アキ

マーケター西野

もちろん!
流通とは、メーカーが商品を製造して卸・小売業者を通して消費者に届く一連のプロセスを指す。
実は幅広いので、マーケターは商品企画や広告などクリエイティブに加えて、メーカー・卸・小売の論理を理解しないと落とし穴に落ちる。
例えばどういうことですか?

アキ

マーケター西野

「なぜ明治がカールを西日本限定販売にしたのか?」
「なぜ森永のチョコフレークは販売中止に追い込まれたのか?」
流通業者は、大容量・低単価のスナック菓子よりも、コンパクト・高単価の高付加価値の菓子の方が物流でも店舗陳列でも効率的なはずだ。
だんだん、大人の事情に足を踏み入れている気がします。

アキ

マーケター西野

せっかくマーケティングを勉強するなら販売奨励金・リベート、PBとNBの課題、百貨店仕入れ方式など流通業界の特徴をしっかり理解しよう。
消費者理解は基本としつつ、流通業界の事情も理解するのが、実践的マーケティングのコツだ。

マーケティングに使える心理学の本

マーケター西野

上手なマーケターは顧客の意思決定を上手に助けて購買を促す。心理を理解しているかどうかが成果を左右するため心理学は非常に重要だ。

マーケター西野

例えばセブン&アイの元会長鈴木敏文氏も、「消費者は経済合理性だけで動くわけではなく、感情で動くことがある。だから商売人は論理だけでなく心理学も理解する必要がある」と常々話している。
消費増税を二回に分けるのはあり得ない、とかね。

マーケター西野

マーケッターも、人間心理を理解することのが役に立つ。

マーケター西野

下の三人は特に良書を出しているため、ぜひ合わせて読むことをお勧めしたい。

「ファスト・スロー」ダニエル・カーネマン教授

マーケター西野

「人間の意思決定がどのように決まる仕組み」を科学的に分析した本。

マーケター西野

人間の意識には偏りがあって、必ずしも合理的に決断しているわけでは無い。
むしろ感情や直感で瞬間的に物事の価値を判断している。
そしていざ購入などの行動に移る際に、じっくりと検討する傾向がある。

マーケター西野

テレビ番組やYOUTUBEの短時間広告も、印象付けにエネルギーを注いでいるわけだけど、それは瞬間的に勝負が決着してしまうからだ。

マーケター西野

投資家心理で有名な「プロスペクト理論」など、実は非合理的な人間心理も紹介されている。

「選択の科学」シーナ・アイエンガー教授

マーケター西野

これもファスト・スローと同じく、人が物事を選択するときにどんなプロセスを辿っているのかを分析した本。
コロンビア大学ビジネススクールの教授が心理学を交えて消費者心理を解説している。

マーケター西野

「なぜ動物園の動物は野生にいるよりも寿命が短いのか?」
「店頭に並べるべき商品の数は24個が良いのか、6個が良いのか?」

マーケター西野

選択肢の提示そのものが、消費者の選択に与える影響を知ることは重要だ。
マーケティングとは、消費者に買わないか、買うか、何を買うかという選択を迫るものだからね。

選択できるかどうかそのものよりも、選択できると認識しているということが重要。

マーケター西野

この言葉には多くの示唆がある。

行動経済学者ダン・アリエリー教授

マーケター西野

人間には認知バイアスがあり、合理的に行動しているようでも、実は非合理的に行動していることが少なくないということを説明している。
「NHK白熱教室」で知った方も多いと思う。

マーケター西野

アリエリー教授自身の経験談も盛り込まれているため、身近な例として学ぶこともできるし、エビデンスに則った科学的なテストによって説明してくれることが多いため、面白いし説得力がある。

マーケター西野

マーケターや小売業の売り場担当者、ECサイト運営者も、すに使える心理学の教えを勉強することができる。

まとめ。マーケティング勉強のコツ

いかがでしたでしょうか。
気になる本はありましたか?

アキ

マーケティングとひと口に言っても、とても複雑で多岐にわたるものだと分かりました。
個人的には消費者理解と、顧客優位と、組織作りは鍵になるような気がしました。

アキ

気になった本があれば、ぜひ試してみてくださいね。

アキ

 

 

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