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企業価値と時価総額・株価との違いをやさしく解説

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企業価値(EV=Enterprise Value)時価総額との違いをやさしく解説します。

  • 企業価値と株式
  • 企業価値と時価総額の違い
  • 企業価値が動く要因
  • 企業価値と投資家のスタンス

がわかります。

「安く買って高く売る」

投資家はこのようなトレードを目指して、株価の動きを読もうとします。

しかし、バリュー投資家のように、短期的な株価の動きをあまり気にしない方法もあります。
株価ではなく、自分で評価した企業価値を気にするのです。

企業価値について解説する前に、まずは「株式とは何か」を解説します。

culcuration【M&Aに活用】企業価値とは何か。意味や計算をファイナンス理論で解説 | M&Aと企業価値

企業価値と株式

企業価値と株式は切っても切れない関係です。

株式とは

株式とは、「企業の一部を所有するための権利書」です。
権利には、自益権共益権があります。
この2つの権利の所有書が株式です。

自益権は、株主が企業の儲けを得るための権利です。
平たく言えば、投資家は「俺が出した資金で儲けられたんだから、分け前を貰うのは当然だ」ということです。

共益権は、株主が企業に経営上の要求をするための権利です。
コーポレートガバナンスを求めることがこれに当たります。

「議決権を持って企業の経営に影響を及ぼしたい
「大株主になって自分の意向を経営に反映させたい」
「株を握って取締役になり、企業の統治に自分も参加したい」
など。

そのような目的がある機関投資家、ヘッジファンドなどです。

企業価値と株主

株価は、「利潤の分け前を得る権利」の値段です。

一般に「株式投資」という時、純粋に金銭的リターンを得ることが目的です。
ですので「利潤の分け前を得る権利」をあらわす自益権を重視して考えなければなりません。

株式=企業が将来にわたって得る利潤(利益)の一部を株主が要求する権利書

株価=企業が将来にわたって得る利潤(利益)の一部を株主が要求する権利の価格

短期的には企業価値と株価が乖離することも
現在価値にして100万円の利潤を得る権利が、短期的には市場で80万円で取引されることもあり得ます。
市場にショッキングな出来事があれば、半額以下になることもあります。

市場は完全効率ではありません。
株価が10倍以上になった銘柄がいくつもあることが、それを証明しています。

逆に、企業が予想よりも多くの利潤を生み出せば、当然株価も上がります。
もし1年後に100万円もらうことができる権利書があれば、その値段は(金利やリスクや売買手数料のことは差し置けば)今すぐに100万円の値が付くでしょう。

短期的には利潤と乖離した株価をつけることもありますが、3~5年以上と長期的に見れば必ず利潤に見合った額に収束していきます。
株価の基本はこのようなものです。

企業価値と株価

企業価値と評価

上で株価について解説しましたが、企業価値とは違います。

「企業価値」にはいくつかの計算方法があります。

  • インカム・アプローチ
  • マーケット・アプローチ
  • コスト・アプローチ

などと呼ばれる計算。

  • PER
  • PBR
  • ROE

などの指標を使うもの。

いずれにしても、「企業が現在保有している資産」や、「将来に稼ぐ利益」を軸に企業価値を計算しようというのが基本的な考え方です。

前者の資産とは、企業が保有する現金・売掛金・商品・原材料・機械・工場・自社ビル・特許・株・債券などです。
後者の利益とは、将来の利益の総額です。
(厳密には、将来のキャッシュフローを現在の価値に置き換えたもの)

このように、ある程度計算可能なものが企業価値です。
短期的には、それほど劇的には変動しないと考えられます。

株価とは

一方で株価とは、日々市場の中で目まぐるしく変動します。

  • 為替レートの変化
  • 世界の市場動向
  • 資源価格の変化
  • インフレ・デフレ
  • 天災・事故
  • 投資家の感情
  • 株価そのものの上昇がスパイラル的に上昇を招く

などなど、投資家が売買する材料はキリがありません。

もちろん、長期的には業績に沿って動きますが、短期的にはランダムです。

企業価値と株価との違い

このように企業価値株価を比較すると、

企業価値はあまり急激には動くことが比較的少なく、
株価は短期的にランダムに感情で動く。

ですから、株価は企業価値を表しているとは必ずしも言えません。

企業価値と時価総額

時価総額とは、株価を発行済み株式数で掛けた価格です。
時価総額を払えば、その企業を買うことができます。

ですので「企業価値は時価総額だ」「時価総額は会社の値段だ」などといわれることがあります。

しかし、時価総額はあくまでも気まぐれな市場によってつけられた株価の総額に過ぎません。

「会社を買える」というのは確かですが、価値価格は違います。

実は価値が高いのに、市場ではあまり注目されないばかりに割安に放置されてままの銘柄もあります。
競争力がある優良企業なのに、関連工場の火災が過剰に心配され、一時的に売られすぎの割安企業もあります。

株価=時価総額はどうしても短期的にはランダムに動くので、必ずしも企業価値を表しているとは言えません。

あなたが経営者なら、短期的な株価の動きは気にするべきではありません。
むしろ企業価値を高める、「優良資産の保有」「将来の稼ぎ」に注力すべきです。

投資家ならば、株価=時価総額に踊らされてはいけません。
企業の真の力の目利きになりましょう。

企業価値評価とバリュー投資

ここからは、上で解説した「株価と企業価値が乖離する」ということを踏まえて、バリュー投資家がどのような投資の手法を取るのかを解説しましょう。

企業価値と長期投資

バリュー投資家は「短期的な株価は予測が難しくても、長期的にはいつか必ず企業価値に見合った株価になる」と知っています。

割安なタイミングで買っても、すぐに株価が企業価値に追いつくわけではありません。
それは3か月後かもしれないし、5年後かもしれません。

バリュー投資家が長期にわたって保有をすることが多いのはこのためです。

一度割安で買ったら後は定期的に見直すくらいで放っておき、短期的な株価の動きを追いかけないのがバリュー投資家のやり方です。

企業価値とバリュー投資家

非常に単純な話で、
投資とは「利潤の分け前」と今の株価を天秤にかけて、「割安なら買い、割高なら売り」です。

バリュー投資の特徴は、短期的なトレンドやあいまいな利潤の「読み」を一切排除して、冷静に利潤を「測る」こと、そして自分なりの企業価値を計算して、今の株価と比べ割安なら買うことです。

これほどシンプルであるのに、なぜ株の投資で負ける人が多いかと言えば、短期的なトレンドで売買してしまうこと、この利潤を読み誤ったり、そもそも印象や勘などたいして考えずに投資してしまうからです。

企業価値と乖離した割安すぎる株価はバリュー投資家にとってはチャンスです。

なぜ株価が企業価値と乖離してしまうことがあるか
「そもそもなぜ割安な銘柄が放置されていたり、短期的に不自然なくらい下落する銘柄があるのか」
「割安銘柄を買えば、誰でも儲けられるのになぜみんなそうしないのか」

こう疑問に思うかもしれません。

たしかに利潤(企業価値)よりも、株価が明らかに低く乖離していれば、誰でもその株を買いたいと思うでしょう。

しかし現実はそうではありません。

企業価値とは別の要因で株価が動くことが多いのです。

為替レート、大手機関投資家の動き、業界の統計値、GDP速報、消費者物価指数、天災、地政学リスクなど数え上げればキリがありません。

それらの流れを読んで投資が成功するなら良いですが、実際は負ける確率の方が多くなります。
もちろん上にあげた要素は、業績を左右します。

しかし長期的には一定のブレの範囲内に収まるので、短期的に企業価値に大きく影響すると考える必要はありません。

企業価値と成功する投資

バリュー投資家のような手法は長期的には安定した成績を上げてくれる確率を高めます。
それでも、そのような手を使わず損を重ねる人が多いのには理由があります。

1 企業価値評価は、方法を知っていても実際にするのが手間であるので誰でもできるわけではない。
(ダイエットと同じで方法は知っているができる人が少ない)

2 手間であるばかりでなく、間違ってしまう可能性がある。
(間違っている可能性の方が高いかもしれません)

3 「間違いない、確実な投資だ」と言えるタイミングがそれほど多くない。

逆にいえば、これができればバリュー投資家として成功する確率が高くなります。

バリュー投資家にとっては、企業価値評価と、評価前の銘柄選びがほぼすべてです。

また、バリュー投資に限らず、

  • 企業価値と時価総額の違いを正確に理解し
  • 企業価値を正しく計算する

これができればビジネスパーソンとしてかなり強みを持っていることになります。

企業価値についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。

culcuration【M&Aに活用】企業価値とは何か。意味や計算をファイナンス理論で解説 | M&Aと企業価値

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