【30分で読む】新聞速読のコツ。普通の読書スピードの社会人が効率的に速読するテクニック

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こんにちは!
アキです。

アキ

分量が多くて難しい新聞・・・
できることなら効率的に情報収集したいですよね。

この記事では、普通の読書スピードの人が、新聞を効率的に読むための速読術を紹介します。
このサイトはビジネスパーソンの方が多いため、日本経済新聞を読む前提で考えていますが、もちろん他の新聞でも使えます。

いわゆる「速読力を上げるためのメソッド」というよりも、読書スピードはそのままで新聞の情報収集を効率化する方法です。
特に忙しいビジネスパーソンの方にオススメできます。

アキ

前回の記事に引き続いて、アナリストの村田さんと、トレーダーの朝倉くんに聞いていきます!

アキ

補足
ある程度の基礎知識がある社会人の方に向けたテクニックです。
もし「そもそも新聞記事の内容がさっぱりわからない」という方は、こちらの記事で「新聞を理解するために必要な基礎知識の解説」をしていますので、そちらをまず読むことをオススメします。

nikkei-reading 日経新聞読み方のコツ。初心者・新社会人も今日から実践わかりやすい勉強法

【こちらも】東大法学卒が教える新聞・読書・試験・ビジネスで役立つ速読方法

試験に役立つ左脳型速読術

日経新聞を読む時間が劇的に効率化!普通の人でもできる速読テクニック

アナリスト村田

日経新聞の速読方法を紹介します。
いわゆる「速読トレーニング」ではなく、普通の読書スピードのままで効率的に情報収集する方法です。

「基礎知識がある程度ある方で、記事の内容は理解できる。ただ、効率的に時間を短縮して速く読むための方法を知りたい。」
「たくさんの記事を毎日読むことを疑問に感じていて、取捨選択の方法もあるなら知りたい。」

アナリスト村田

このような方に役に立つと思います。

アナリスト村田

この方法を使えば時間がない中でも主要な大きいニュースを把握することができるので、仕事でも役立つだけでなく職場、取引先、友人との会話でも「幅広い分野をよく知っている人だな」と思われるでしょう。
思われたいです!

アキ

アナリスト村田

ポイントは、「記事を読むな」です。

アナリスト村田

新聞の記事は「大きな主要記事」と「小さな記事」(ベタ記事)があります。
これを分けて解説します。

大きな記事は見出し・リード文・図表だけを見る

アナリスト村田

大きな記事に関しては、まず見出しを読み、リード文を読み、図表を見て、先に概要を掴んでしまいます。

アナリスト村田

例えばこれは典型的な主要記事ですね。

「経済面」より

アナリスト村田

新聞の特性は、見出しで概要がわかるようになっていて、次にリード文で記事の要約がされていることです。
記事の本文を読まなくても内容が把握できることがあるので、
時間がない時に見出しだけでもチェックするのは理にかなっています。

アナリスト村田

それから、日経新聞の場合は図表も充実しています。
物事の相関図や、グラフ、テーブルなど・・・

アナリスト村田

これは新聞社が私たち読者のために配慮してくれているわけで、活用しない手はありません。
電子版の方も、紙面購読の方は特に。
経済記事は数字が多いのが読みづらい原因の1つですが、数字は文章で読むよりも図があれば視覚的にわかりやすいです。
おお、確かに!

アキ


アナリスト村田

いかがでしょう?
この「見出し・リード文・図表式」であれば、おそらく30秒から1分程度でポイントは把握できるのではないでしょうか。

アナリスト村田

先ほどの「中国減速」の記事なら、中国で景気が落ち込んでいて、日本の国内生産も低迷(特に製造業)というのがパッと掴めましたね。
細かい数字は、チャート見ればわかります。

アナリスト村田

日経新聞で主要な面は、総合、政治、経済、金融経済、国際、アジア、企業、投資、マーケットなど15ページほど。(全面広告・コラム・人事除く)

アナリスト村田

大きな記事は、1ページ中に1記事が相場。
「総合面」など、よほど多くてもせいぜい3記事です。

アナリスト村田

つまり「主要面15ページ×重要ニュース1〜2記事×見出・リード文・図表1分」の合計15〜20分程度で、その日の主要な記事の内容が把握できるわけです。
あなたの仕事に応じて、例えば「国際面やマーケット面は優先度が低いので読まない」と決めてしまえば、もっと時短になります。

アナリスト村田

あとは空いた時間を、興味がある記事の精読に費やせる。
私は初めの頃、1面から順番に全部の記事を読もうとしていました。

アキ

アナリスト村田

それは時間がある中では良いですが、忙しいと時間オーバーになり、ビジネスで特に大切な経済面、企業面の見落としするリスクがあります。

アナリスト村田

この「見出し・リード文・図表式」なら平均的な読書スピードの人でも、20分以内に主要ニュースをもれなく把握できて、なおかつ自分の仕事に関わる記事の精読に当てることができます。

小さな記事は見出しだけを瞬間キャッチ

アナリスト村田

そして小さな記事は、見出しだけを瞬間的に見ます。
これは中身を読む前に、読むべきかどうかを取捨選択するためです。
これは全ての記事を確認した方が良いんですか?

アキ

アナリスト村田

その方が良いと思います。
特に若手で、読み方の基礎を固めている最中ならなおさら。

アナリスト村田

見出しだけでもチェックする目的はあなたにとって重要なニュースの読み逃しを防ぐためです。

アナリスト村田

どういうことか?
業界の先読みケーススタディ

アナリスト村田

たとえばヤマト運輸の値上げ。
その結果としてのアマゾンの出品者への協力金の要求。

あなたがECサイトや小売業で通販をしているなら、価格戦略に大きな影響を与えるでしょう。
このようなニュースは突然出てくることもありますが、ほとんどは目立たない「兆候」があります。

歳暮需要や人手不足…宅配便、年末年始の遅配拡大も
2016/12/27 日本経済新聞

ヤマト、未払い残業代支給へ 7.6万人調査、数百億円規模か
2017/3/4 日本経済新聞

アナリスト村田

「遅配」「人手不足」「未払い残業代」
こんなシグナルが発覚したら、朝倉さんはどう考えますか?

トレーダー朝倉

そうですねー
僕なら、

 

供給は限界に来ている
→人材確保のために待遇改善、賃上げ必須
→取引先へのコスト負担増は不可避
→配送料値上げ
→価格を上げることで客離れor意外と客は離れず単価が上がって業績が上がる。

トレーダー朝倉

ってシナリオはあらかじめ想像しておきますかね!

ヤマト、27年ぶり全面値上げ アマゾンと交渉入り
2017/3/7 日本経済新聞

ヤマトHD、営業黒字転換 17年度下期380億円
上期(17年4~9月)は130億円前後の赤字とほぼ想定通りになったようだが、下半期は未払い残業代の支払いが一巡。
10月から実施している個人向け宅配料金の値上げも業績を押し上げる。

2017/10/7  日本経済新聞

アナリスト村田

このように、シグナルは意外なところに転がっています。
小さな記事でも、特定の企業にとっては重大ニュースだということは珍しくない。
それから初めはベタ記事でも、数日後に大事件として報道されることもあります。

アナリスト村田

と言っても、見出しだけを見て関連がなさそうであれば全ての記事を中身まで読む必要はないし、見出しを忘れてもOK。
一見出し5秒程度でも良いと思います。

アナリスト村田

あくまでも、重要なシグナルを見落とさないためだけに見出しを瞬間的に眺めるのがポイントです。
「記事は読むな」という意味がよくわかりました。
なんか、今からでも試して見たくなりますね。

アキ

定点観測する記事を取捨選択する

アナリスト村田

取捨選択したうえで、「必ず読む項目」を定点観測することも大切です。

アナリスト村田

例えばIT系企業に勤めているならフィンテック系、GAFA、データ規制、コメンテーターのコラム、法務といった具合です。
主に経済面、金融経済面、企業面、法務面(月曜のみ)に対象の記事があるでしょう。

アナリスト村田

投資をしている人なら株価、為替レート、空売り比率、売買代金など。
業界や仕事内容によって見るべき要素は全く違うので、オリジナルの項目を見つけてください。

村田さんはアナリスト時代、どのような項目を見ていたんですか?

アキ

アナリスト村田

私は、担当業界の業種別GDP、輸出入額、国内外出荷数、生産指数、有効求人倍率、決算発表、役員人事、プレスリリースは必ずチェックしていました。

アナリスト村田

そして、エクセルにデータを保存し、3ヶ月後、半年後、1年後の予測をして、実際のデータとの乖離を分析していました。
その誤差を生んだ要因を洗い出して、次の予測の精度を磨いていました。

アナリスト村田

「予測が当たるかどうか」も大切ですが、それよりも「数字を動かすドライバー(要因)をいくつか仮説して、それをあとで検証するプロセス」が思考の訓練になりました。

トレーダー朝倉

あれもこれも見るのではなくて、「影響を与える要因」だけを定点観測するわけですね。

トレーダー朝倉

これって人付き合いでも同じですよね。
Aという上司の機嫌は「家庭内の状態+部下のパフォーマンス+プロジェクト進捗+上層部からの評価+取引先との関係」という要因で決まるとすると、マイナス要因が重なる時は慎重に接する方がベターという。
わー、戦略家ですね。

アキ

アナリスト村田

社内の人間関係でも接待でもそういうものではないでしょうか?

アナリスト村田

ビジネスは人間関係が多くを占めますが、明確な部分と不確実な部分があります。

アナリスト村田

人間関係は難しいことばかりなのですから、明確な部分は「相手が喜ぶ要因・嫌がる要因は何か?」などシステム化してしまって、
あとは人間性という不確実な部分にエネルギーを注ぐのも合理的だと思いますよ。
名付けてみれば「MBA的人間術」ですかね。

アキ

まとめ

「どうやって早く読むか?」というより、「何記事しか読めないか」「その中で優先順位は何か」を決めて、読む記事を逆算するわけですね。
完全に逆転の発想で意外でしたが、忙しくても、超人的な速読力がなくてもできる現実的な方法だと感じました!

アキ

「新聞記事の理解力をつけたい」
「ビジネスパーソンとして情報収集にも仕事にも役立つ基礎知識をつけたい」

という方は、こちらの記事もオススメです!

アキ

nikkei-reading 日経新聞読み方のコツ。初心者・新社会人も今日から実践わかりやすい勉強法

【オススメ】東大法学卒が教える新聞・読書・試験・ビジネスで役立つ速読方法

試験に役立つ左脳型速読術

 

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2 Comments

不二子

こんにちは!日経新聞の読み方と合わせて読みましたが非常に参考になりました。コツコツ頑張ってみようと思います。
またこの記事の朝倉さんのように、私も小さいシグナルから自分で仮説を立てられるようになりたいのですが何かアドバイスがあればぜひいただきたいです。よろしくお願いします。

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アキ

不二子さん
こんにちは!
記事から得るところがあれば嬉しい限りです。
小さなシグナルから仮説を立てられるようになりたいということですね。とても価値があることだと思います。
記事中でも触れているように、業界特有の構造やビジネスドライバーを整理しておくとわずかなシグナルからでも分析できる力がつくように感じます。
例えば、ヤマト運輸のような業界は意外にシンプルなビジネスモデルです。コスト面ではドライバーを雇い、トラックなどへ設備投資をし、鉄道などの配送網も確保。収益面ではアマゾンのような大口顧客や個人顧客からの受注で成り立っています。
となると、ヤマト運輸の事業を分析する時に見るべきポイントは必然的に絞り込まれてきます。仮にどこかの数字に異常値が現れると(朝倉君の例では「ドライバーの人件費」でした)、「何かおかしいかも」という疑問、そしてより具体的な仮説に繋がっていくわけです。
元カルビーのトップ松本晃さんは、新聞のうち事業経営に本当に必要な記事の切り抜きだけを自分のデスクに届けさせてそれ以外は読まない、というのをテレビで見たことがあります。
シグナルから仮説を深めるには、大雑把でも良いので構造を理解してドライバーを絞っておくと便利だと思いますよ。

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