バリュー投資とは経営・投資に役立つ目利き力

PCと株価チャート

このページでは、「バリュー投資とは何か?」をやさしく解説します。

バリュー投資は、株式投資や債券投資のひとつの方法のように考えられていますが、実はそれだけではありません。

投資だけではなく、経営やあらゆる経済活動で、最も確率が高く安全に、最大の効率を上げるための手段です。

  • 「バリュー投資法とはどのような方法なのか」
  • 「世界一の投資家、バフェットの方法と聞いたが、具体的な方法は?」
  • 「グロース投資との違いは」
  • 「ビジネスにどのように役立てられる?」

このような疑問に答えます。

バリュー投資の方法

私の定義はこうです。

資産・収益性・事業性によって企業価値を評価し、株価が大幅に割安なタイミングで投資し、長期的に保有していづれ割高になったら売る

「株価」は日々変動します。
一方、企業が本質的に抱えている「企業価値」はよほどの出来事がなければ変動しません。

「『株価』は『企業価値』を表わす」と言われますが、だからと言って株価=企業価値とは限りません。
株価は短期的には需給のバランスで変動するため、企業が抱えている価値と乖離することはよくあります。
このズレがチャンスです。

バリュー投資家は、自分の信頼できる物差しによって企業価値を冷静に分析し、自分だけの企業価値を測ります。
「自分の測った企業価値と株価がずれていて、割安なタイミングで買う」のがバリュー投資の方法です。

バリュー投資は企業価値評価が大切

ただし、「企業価値」ほどあいまいな概念はありません。
「企業価値をいかに測るか」がバリュー投資の難しいところであり、腕の見せ所です。

私がおススメしているのは

  • 資産
  • 事業性
  • 収益性

の3つによって総合的に測る方法です。

グレアム、バフェットやバリュー投資の王道とも言える3つの要素です。

資産性は「現在企業が保有する資産価値」です。
事業性と収益性は「今後企業がを上げ続けるために必要な力」と「それがどれだけ利益(現金)を生むのかを測る指標」です

資産

資産は、今ある企業の資産価値を正確に再評価することです。

たとえば「時価総額が1000億円程度で実質無借金の老舗企業が、昔から一等地に多数土地やオフィスビルを抱えており、値上がりの含み益が1200億円程度あるがバランスシートは昔の取得価格のまま。」という場合もあります。

これは明らかに割安です。
1000億円投資すれば1200億円分の資産が手に入るようなものです。

鉄道会社、映画会社、アミューズメント会社、小売店など、丹念に企業の公開データを調べれば掘り出し物が見つかることがあります。

収益性

収益性は、投資家に配当可能なキャッシュを生み出す力です。
財務会計はあいまいなもので、当期純利益は必ずしも現金収入の事を意味しません。

たとえば利益が100億円であったとしても、売掛金が多く現金が手元に入ってきていないこともあり得ます。
逆の例では、減価償却費が引かれた結果、純利益が出ますが、減価償却費は毎年会計上の費用には計上されていても、現金の支出を伴わないのです。

財務諸表を読み込むことで、このような会計上の曖昧さを極力排除し、実際の現金を稼ぐ力を客観的に測るのがバリュー投資の方法です。

事業性

事業性は、以下の点を測ります。
「ほかのライバル企業に比べて競争に優位性があるか」
「その優位性はライバルよりも多くの利益を生むか」
「その優位性は今後も維持できるか」

競争優位性は数字化できるところもありますが、できないところもあります。
その分主観の要素も多少は入る余地はあります。

しかし、業界の構造やビジネスモデル、景気の動きなどに目を配るという点で、難しくも面白みを感じる分析です。

バリュー投資と企業価値

バリュー投資は企業価値評価(バリュエーション)がすべてです。

企業価値評価とは企業の真の力を見極めることです。

企業価値について解説します。

バリュー投資と株価・時価総額

企業価値は

  • 株価
  • 時価総額

とは全く別です。

企業価値は安定しており、短期間に急速には変わりません。

たとえば企業価値の1つ、資産性ですが、これはたしかに工場の火災や、保有株式の評価損などで価値が急に変わることもあり得ます。
しかし、特許権やのれんなどの無形資産はそう簡単には変わらず安定しています。

同じく事業性ですが、アップルやマイクロソフトなどの圧倒的地位が、競合他社と比べて急速に落ちることなどあり得ません。
1年後にアイフォンやウインドウズが売れなくなる可能性はほぼ無いと考えてよいでしょう。

一方、「株価」「時価総額」は日々の市場でランダムウオークするもので、企業価業績値と乖離することが頻繁にあります。

バリュー投資は長期的で高収益

企業価値評価を生かす投資方法とは、長期投資です。

短期的な株価はランダムなので予測不能です。
予測不能なものにいくらエネルギーを費やしても、成果がでないばかりか資産を失うリスクが高くなります。

一方、企業価値はしっかり評価すればある程度は正確に計算できますし、長期的に見れば株価は企業価値に収束していきます。

企業価値とは、「企業の現金を生む本質的な力」です。

企業価値評価をして、今の株価は明らかに割高だと思えば投資して長期保有すれば、安全に高いパフォーマンスを期待できます。

バリュー投資は具体的で役立つ

このように、バリュー投資は非常に具体的で明確な方法です。
これは初心者にとって、難しいと感じるかもしれません。

しかしもちろん、手間も時間もかかりますが、それを補って余りあるほど、確度の高い、リスクの低い投資ができます。

バリュー投資はファンダメンタルズ重視

「ファンダメンタル分析」「テクニカル分析」と呼ばれるものがあります。

さらには「ファンダメンタル分析」派の中に、より企業価値を厳密に評価し割安で投資する「バリュー投資」と呼ばれる投資家がいます。

ウォーレン・バフェットあるいはその師であるベンジャミン・グレアムが代表です。

彼らの投資方法が世界的に類稀な成果を発揮し、その方法の有効性が証明されています。

グレアムもバフェットも、しっかり企業価値を評価したからこそ実績をあげられたのです。

バリュー投資とグロース投資の違い

グロース投資は、その名の通り

「今後高成長が見込まれる銘柄を、まだ割安なタイミングで買い長期保有する」

投資方法です。

バリュー投資とグロース投資の共通点

バリュー投資との共通点は、

  • 割安に
  • 長期保有

という点です。

将来、収益力が上がっていくのは分かっているが、それがいつかなのかはわからないため、長期保有になります。

グロース投資とバリュー投資との違い

バリュー投資との違いは、

まだ収益力が実現しているわけではない銘柄にも、将来性が見込めれば投資をする

という点です。

バリュー投資にもいくつかの考え方がありますが、基本的には、すでに収益力が高く、資産性も十分、事業の競争力も申し分ない銘柄が、事故や天災、風評被害などの一時的なハプニングによって売られすぎた時に買い集めるという手法です。

将来に過度な期待をしないため、まだ収益が出ていない銘柄には、どれだけ希望が持てるとしても慎重になる傾向があります。

また、厳密に企業価値を評価した時、企業の成長が必ずしも企業価値向上につながらないケースもあります。

成長にはそれなりの投資を必要とします。
成長産業には参入してくるライバルも多いです。

それのような経営のコストに見合ったリターンを得られるかは、未知数なのです。

バリュー投資とビジネス

バリュー投資の考えは、投資家だけでなくビジネスパーソン・経営者にも役立ちます。

企業価値を評価する技術は、そのまま事業価値の評価にも応用できます。

リターンとコストの差を計算するというのはどんなビジネスでも当然の事です。
バリュー投資家はそれを期待ではなく客観的なデータに基づいて厳密に測ります。

バリュー投資と事業投資

たとえばあなたの会社で新規事業を始めようと思っているとします。
「期待収益率や、成長率、資金調達コストはどれくらいで、最終的なリターンはいくらになるのか?」
このような時に、非常に具体的に話ができます。

バリュー投資とM&A

また、どこかの企業を買収しようとしている時も、その企業の真の価値を計算できるのは強みになります。

株価が安く放置されているが、実はキャッシュリッチな企業
株価が高く成長著しいが、実は収益力はそれほどでもない企業

このような目利きになるには、バリュー投資の企業価値評価の考え方は大いに役に立ちます。

事業投資だけでなく、M&Aや事業承継、事業ポートフォリオの構築などは、コンサルタントに依頼することもあると思いますが、それでも自身も最低限の知識がないと話になりません。

孫正義氏が成功しているのは、自身がファイナンスのプロだからです。

このサイトでは、バリュー投資家、経営コンサルタント会社、証券会社、事業会社の戦略部などで使われている企業価値評価の基本的な方法を解説している記事がたくさんあります。

ぜひ参考にして、ビジネスパーソン・投資家としての知識の肥やしにしてください。

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